今回は、アキラの漫画はどこで読めるのかについてご紹介します。
アキラの漫画は、正確な題名は『AKIRA』です。
1982〜1990年に、講談社の週刊ヤングマガジンに連載されていました。
単行本は講談社のKCデラックスで発行されています。
この漫画は、アニメで映画化され、ゲームまで登場しました。
それにとどまらず、アキラの漫画のストーリーが近未来の退廃と崩壊を描いたSF作品だと評判になり、海外でも高評価を受けたのです。
この漫画がきっかけで、数々の日本の漫画が翻訳されて世界中に広まるようになりました。
この伝説の作品をどこで読めるのか、あらすじや登場人物、作品の見どころやレビューまで全てお伝えします。
これを読んで、アキラの漫画を思いっきり楽しみましょう!
※注意:記事にはネタバレを含みますので、ご注意ください。
- アキラの漫画はAmazonで読める
- あらすじや主要な登場人物に関する詳細
- 作品の見どころや他の読者の感想レビュー
アキラの漫画はどこで読める?Amazonで読めます。
結論からいうと、アキラの漫画は、Amazonで読むことができます。
アキラの漫画は、作者の大友克洋氏の意向で電子書籍では読むことができません。
作者本人としては、アキラの世界観や大友作品特有の細かな描写を大切にしています。
それには、紙の本で読んでもらうのがもっとも相応しいと考えているからでしょう。
Amazonで購入の際は、 Amazonアカウントが必要です。
メールアドレスや携帯電話番号と、氏名、パスワードを入力するだけで簡単にアカウントを作成できます。
アキラの漫画は、Amazonで全6巻完結セットを購入すると10,120円です。(2025年1月現在)
フリマサイトではこれより2割程度安く販売されているケースもありますが、購入のタイミングによっては入手困難な事もあり、確実に入手できるAmazonでの購入をおすすめします。
2020年時点で、100刷を超えたというアキラの漫画をぜひ手にとってご覧ください。
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作品のあらすじ・ネタバレ・概要
1988年7月首都・東京は第三次世界大戦が起こっていました。
新型爆弾の攻撃によって壊滅的打撃を被ります。
その後時は経ち2019年。
東京湾上に構築された巨大都市「ネオ東京」では翌年にオリンピック開催が予定され、街の賑わいを取り戻したかのようです。
自称「健康優良不良少年」金田 (かねだ)は、この物語の主人公です。
改造したバイクでレースや抗争をしながら夜の街をさまよっています。
鉄雄( てつお)は金田と同じチームにいる幼馴染です。
鉄雄は金田とは正反対のタイプで、いつも周りから疎まれていました。
そんな彼は、いつか金田を見返したいと思っています。
ある日、鉄雄はハイウェイを暴走中に男児「タカシ」をひいてしまいました。
すると、軍用ヘリがやって来てタカシと鉄雄を連れ去ります。
その後、鉄雄は研究所で人体実験をされました。
過剰な薬物投与が行われた彼の身の上に異変が起こりました。
なんと、鉄雄は世界を滅ぼせる程の特殊能力を持ってしまったのです!
鉄雄が衝突した相手タカシが、ナンバーズと呼ばれる超能力者の一人であったことがきっかけのようです。
彼は激しい頭痛を訴えていき、感情のコントロールを失い凶暴な性格へと変わっていきました。
金田は連れ去られた鉄雄を見つけ出しますが、以前の弱気な彼はもうどこにもいません。
鉄雄のいる場所で同じように被験者になっている少女は最高機密(アキラ)の目覚めを予言します。
それから、鉄雄は「アキラ」というナンバーズが旧東京の爆心地の地下に封印されていることを知ります。
アキラは軍用兵器として秘密裏に眠らされていたのです。
鉄雄は自身の力の謎を知りたくなり、「アキラ」に出会おうとします。
彼はそんなアキラを目覚めさせて、ネオ東京は…!?
主な登場人物
登場人物は、人数も多く、各方面に渡っていて関係性も複雑です。
金田 正太郎 (かねだ しょうたろう)

自称「健康優良不良少年」で、職業訓練校に通っています。
バイクチームのリーダー的な存在で、面倒見の良い性格です。
鉄雄は金田の幼なじみでしたが、鉄雄が仲間の山形を殺してしまったことをきっかけに敵対するようになります。
金田正太郎の名前の由来は漫画『鉄人28号』の主人公のフルネームからです。
ただし、この物語の中では苗字の金田で呼ばれて、名前が出てくることはありません。
島 鉄雄 (しま てつお)

金田と幼馴染です。
金田と同じ職業訓練校に通って、同じバイクチームに入っています。
気弱な性格からいじめられやすく、金田にかばってもらっていました。
バイクチームの暴走中に起こしたタカシとの接触事故を機に、桁外れの超能力を持つことになります。
その結果、超能力集団「ナンバーズ」の一員として41号と名付けられました。
並外れた力を得て日頃の劣等感が爆発し、あらゆる暴走チームを襲い、金田にも危害を加えます。
軍用兵器として隠されていた「アキラ」というナンバーズの存在を知り、よみがえらせてしまいます。
アキラがネオ東京を壊した後、鉄雄は自身の力を操れるようになり、アキラに負けない力を持つようになりました。
アキラ

「ナンバーズ」の一員で、28号と呼ばれる超能力者の少年です。
東京が崩壊した原因は新型爆弾というのは表向きの理由で、実はアキラが自身の能力を暴走させたからでした。
そのような経緯から、爆心地の地下深くに厳重に封印されていました。
ところが、鉄雄に見出され、その結果ネオ東京も破壊します。
その後、大東京帝国の大覚として鉄雄に奉られました。
人格が失われたまま、その並外れた能力の為に、人々の略奪の対象となります。
アキラのナンバー「28」は、漫画『鉄人28号』の人間ではないロボット・鉄人の番号を使っています。
山形 (やまがた)
「AKIRA」山形の誕生日🎉
— オデ (@ode555) November 9, 2020
結局間に合わず、誤魔化し画像ですみません。顔もまた少しかっこよくなってしまいましたw pic.twitter.com/u0jem9NamF
金田と同じ職業訓練校に通っています。
金田のバイクチームのメンバーで、大男です。
気が荒い性格で腕も立ちます。
覚醒した鉄雄と対決し、殺されてしまいました。
甲斐 (かい)

金田と同じ職業訓練校に通っています。
金田のバイクチームのメンバーで、小柄です。
ネオ東京が壊れた後も生き延び、金田と再会します。
クラウンの元リーダー・ジョーカーらと一緒に鉄雄たちに立ち向かいます。
ケイ

反政府ゲリラのメンバーです。
竜と共にタカシを追う途中に金田と出会い、金田に口説かれます。
ネオ東京が壊れた後はミヤコに利用され、マサル・キヨコの超能力を使って、鉄雄と対決しました。
竜 (りゅう)

呼び名は竜で、本名は竜作(りゅうさく)です。
反政府ゲリラのリーダーです。
野党議員の根津から資金提供を受けています。
チヨコ

反政府ゲリラのメンバーで、共に行動しているケイを娘のように思っています。
ケイや金田からは「おばさん」と呼ばれています。
所属グループ内で武器調達を担当していることもあって、武器の扱いが巧みです。
体格は大佐と並んでも見劣りしない、屈強な肉体を持っています。
タカシ

ナンバーズの一員で、26号と呼ばれ、身体は8歳のままです。
老人のような顔をして、痩せているのが特徴です。
ナンバーズとは、1980年代の超能力実験の被験者で、手のひらに与えられた番号が刻印されていることから、そう呼ばれています。
また、投与された薬の影響で肉体の年齢が子どものまま止まった状態で老化するので、アンバランスなビジュアルです。
強力な念動力と瞬間移動能力を持っています。
閉じ込められていたラボから脱走し、街を彷徨っていたところ鉄雄と接触事故を起こしました。
鉄雄が超能力に目覚めるきっかけを作ったのはタカシです。
マサル

ナンバーズの一員で、27号と呼ばれ、身体は8歳のままです。
老人のような顔をして、足が不自由な小太りの少年です。
念動力と優れた透視能力があります。
浮遊する椅子に乗って移動しています。
キヨコ

ナンバーズの一員で、25号と呼ばれ、身体は9歳のままです。
老人のような顔をした寝たきりの少女です。
未来予知能力(的中率93〜95%)と精神感応力を持っています。
アキラの覚醒や、ネオ東京の崩壊も予言していました。
ネオ東京が壊れた後はマサルとともにケイに保護されミヤコのところに行きます。
根津 (ねづ)

野党議員で権力を持っています。
表向きはミヤコ教を母体とした政党・講民党の議員です。
ところが、裏では反政府ゲリラのスポンサーとなっていました。
アキラを狙い撃ちしようとして、間違ってタカシを射ってしまいます。
それが2度目のアキラ覚醒のきっかけになり、自らも命を落としました。
ミヤコ

新興宗教ミヤコ教の教祖です。
元「ナンバーズ」の一員(19号と呼ばれていました)で、仮死状態のまま捨てられていました。
アキラの力を受けて失明しましたが、強い感応力で自分以外の見たものを共有できます。
ネオ東京が壊れた後に、鉄雄や他の人物に助言を与えていました。
また、自身の教団内の者に薬物を投与して能力開発も行っていたようです。
敷島大佐 (しきしまたいさ)

軍(アーミー)の実権を握る大柄な人物です。
封印されたアキラを管理する責任者でもあります。
アキラの能力が暴走した際に父を亡くしたため、アキラには並々ならぬこだわりを持っていました。
アキラが脱走した時、戒厳令発令の責任を追及されてしまいます。
クーデターを起こし、アキラを見つけて守ろうとしますが、失敗に終わりました。
敷島大佐の名前のモデルは、鉄人28号の敷島博士です。
ドクター

大佐の下でナンバーズの研究管理を行っています。
研究に没頭して、安全を度外視した末に、鉄雄の力をコントロールできないほどに成長させてしまいます。
アキラが覚醒した時、冷媒が漏れた事故に巻き込まれて凍死しました。
榊(サカキ)/モズ/ミキ
ミヤコによって本当の娘のように育てられた、能力を持つ少女たちです。
サカキは、尋常ではない跳躍能力とショック波攻撃が特徴で、金田に髪型を揶揄され「タンポポねえちゃん」と呼ばれています。
サカキ・モズ・ミキの3人とも、能力を使って軍に立ち向かいますが、捕まったり殺されたりと残念な結末を迎えます。
カオリ

眠っている少女がカオリです。
ネオ東京が壊れた後、難民になりました。
大東京帝国の隊長に騙されて鉄雄の慰み者にされそうになった末に、鉄雄の侍女となります。
隊長 (たいちょう)
鉄雄やアキラに従う大東京帝国の幹部です。
組織内で様々な業務を行っていた一方で、独断でミヤコ教を襲撃するなど、自分勝手な面を持ち合わせています。
セキュリティボール

ネオ東京の治安を守るために配備された無人ロボットです。
丸い見た目から「炭団(たどん:炭でできた丸い燃料)」と呼ばれています。
脚部にあるローラーで移動し、非致死性の電流と消火能力を持っています。
ジョーカー
金田のチームと敵対するグループ・クラウンの元リーダーで、身長2m、体重150kgの巨漢です。
クラウンのメンバー全員が薬物中毒で暴力的で、他のグループからは嫌われていました。
ジョーカー自身も、名前に相応しい、ピエロのメイク・タイヤ痕や交通標識のペイントがトレードマークです。
見た目だけでなく、その振る舞いも、周囲から恐れられていました。
鉄雄をめぐる抗争の後は、少年院に収容され、重傷を受けました。
そんな中、甲斐に助けられます。
その後、金田と共に鉄雄を倒そうとします。
機械に強く、バイクだけでなくアーミーのフライングプラットフォームまで再生させました。
ジョージ山田
ネオ東京が壊れた後、アキラ暗殺の任務を受けたアメリカの工作員(中尉)です。
アキラや鉄雄を倒そうと科学兵器を使用しますが、それ以上の能力を持つ鉄雄に殺されます。
春木屋のマスター
金田たちのたまり場となっているバー「春木屋」のマスターで、スキンヘッドにちょび髭の男性です。
金田やケイがピンチの時は店に匿ってくれました。
作品の見どころ
手塚治虫が羨む画力とストーリー
この物語は、あの手塚治虫氏(鉄腕アトム・ブラックジャックなどの作者)が羨むほどの緻密な画力とそれに負けないストーリーが特徴です。

緻密に描かれた絵によって、架空の都市・ネオ東京が実在するかのように読者に迫ってきます。
「近未来の退廃と崩壊を描いたSF作品」と高評価を受け、世界中にファンがいるのもうなずけます。
『鉄人28号』へのオマージュ

この物語は、大友克洋氏による伝説の漫画家『鉄人28号』の作者、横山光輝氏へのオマージュ(敬意)だと語り継がれています。
登場人物の項でも取り上げましたが、アキラのナンバー(28号)、金田・鉄雄・大佐の名前が『鉄人28号』の登場人物に由来しています。
また、ストーリー展開も「大戦中に存在した秘密の武器が平和な時代に見出され、それについての物語が広がる」という点が似ています。
現代を予言するかのような内容
1980年代の漫画にもかかわらず、現代の2020年東京オリンピック開催と中止・伝染病が流行することを予言しているかのストーリー展開が話題になっています。
それは、漫画が連載された1982年当時が、第二次世界大戦後37年経っていたことに関連しているようです。
そこで作者は、1982年当時から37年後の2019年に「単純に」出来事をスライドさせて、物語に反映させていたのではないか?という説が有力です。
そのことを知った上でアキラの漫画を読むと、面白そうですね。
感想・レビュー・口コミ・評価
こんなデカい漫画ってあるんだ 最初あらすじとか文で書いてあって昔の雑誌みたいな雰囲気ですご~い!てなった ごっちゃごっちゃしててこれを推測とかしてる人は相当頭いいだろうなぁと思いながらなんとか読破 絵が壮大でそれで圧倒された 内容は頭悪くてちゃんと入らなかった 予知してる?みたいなのがあってすげー漫画なんだなって思ったけど、あんまり期待はしない方がいいのかもね でも薬飲んだだけですごくなったり面白かった
読書メーターより引用
ナンバーズを作った科学者は何をしたかったのか?大佐はオーバーテクノロジーのAKIRAの研究で列強の抑止力に使ったのか?AKIRAと鉄雄の爆発は、何を生んだのか?力の中和?もう1つの宇宙?パラレルワールド?ミヤコをあそこまでやる使命感の原動力は?彼女の過去の人生に何が?能力も全部環の中へ?竜のくだくだはイデオロギーの終焉のメタファー?そして金田達の低能な無駄話 (さんをつけろよデコスケ。金田ぁぁー。)。2190p一切の無駄がない。
読書メーターより引用
2024になり、初めて原作を読んだ。原作に惹き込まれた。この分厚さを一気に読んだ。本当に久しぶりに集中した。映画は、よくあの時間にマトメれたなと感心した。と同時に原作に感動させられた。AKIRAという未知にして未曽有の力を何とかするべく政治家、軍人、軍隊、科学者、非合法の武装集団、暴走族、超能力者等々。AKIRAを制御又は消滅させるという目的、又は個人の野望、個人間の因縁により物語は進んでいく。SLUMDUNKやBERSERKは読み終わったらスグ処分したのに、AKIRAはできなかった。とても印象深い作品だ。
Amazonより引用
ふと思い出して購入しました。
さすがは大友克洋作品。絵の緻密さを堪能しました。
Amazonより引用
爆炎や煙の動き、メカの操作・動作、建造物の書き込み具合……情報量が兎に角多い。単純に絵が上手いという話ではなくて、1コマすら妥協しない拘りがあるからこそ、真に迫り訴えかけてくるものがある様に思う。
読書メーターより引用
作者は大友克洋氏

大友克洋氏は1954年宮城県生まれの漫画家・映画監督です。
絵を描くことが好きな子どもだったようで、鉄腕アトムや鉄人28号をよく模写していたそうです。
次第に、絵を描くこと以外にも、映画にも興味を持つようになりました。
アメリカン・ニューシネマ(アメリカの1960年代後半から1970年代の映画の呼び名)や、黒澤明監督の作品にも影響を受けていたようです。
「アキラ」というタイトルは、大友氏自身がファンであった黒澤明監督に由来します。
アキラのアニメ映画は、大友克洋氏自らが監督をした作品です。
ここまでの大友氏の興味が、全てアキラの漫画に活かされていますね。
アキラの漫画は、緻密な書き込みや、複雑なパースを持つ画面構成が特徴です。
また、あえてタブーに切り込んだり、大人の問題に向き合う辛口のストーリーです。
子ども向けの作品のイメージがあった日本の漫画にはない作風も、大友氏が世界で注目される漫画家になった理由と言えるでしょう。